ケーブル類の配線集約整理に便利な機能で、ケーブルダクトがあります。

切っても切れないオフィスとケーブル

 無線LANはワイヤリングにおいて煩雑さがありませんが、無線LANのアクセスポイントは設定が少々難しいものですし、回線の不通が生じた際のメンテナンスには知識を要します。有線LANはケーブルこそ煩雑になりかねませんが、不通からの復旧が比較的容易である分、安定した使い勝手があります。

 インターネット元年と呼ばれた1995年以降、企業では人員1名にPC1台が当たり前となり、総務省『情報通信統計データベース』によると2000年には企業でのインターネット普及率は90%超、2005年にはほぼ100%に到達しています。すなわち、従業員が1名いれば、少なくともPCの電源ケーブルとLANケーブルとで2本のケーブルが、電話機も割り振られている場合は、さらにもう1本のケーブルが付随する事になります。
 これに伴って発生するのが、ワイヤリングの問題です。海外でままあるような全席が半個室のレイアウトであれば、全てのケーブルはOAフロアから席ごとに個別に引きこむ事になりますが、日本の主流である対面対向式の島状レイアウトの場合、一度島ごとに引きこんだ上で、各席に分配する事になります。仮に、横に3名が席を並べていたらどうなるでしょうか? 1名につきケーブルが3本だと仮定すると、島の最上流の席では3人分である最大9本が、中流であっても2人分の最大6本が通過している形になりかねません。

 本稿では、オフィスデスクがワイヤリングにどのように対応しているか解説します。

コンセントの位置

 コンセントには電源のコンセントと回線のコンセントとがあります。回線のコンセント(モジュラージャック)はLANのコンセントと電話回線のコンセントとがあります。また、これらの3つもしくは2つを備えたコンセントもありますし、多人数用の電源タップやネットワークハブもあります。こういったコンセントが、オフィスデスクに対してどの位置にあるかによって、いくつかの場合分けができます。
 
(1)卓上にコンセントユニットがある
(2)デスクの天板面にコンセントが開口している
(3)ドロップインコンセントがデスクの天板の下にあり、複数人で共用している
(4)デスクが集合した島の外にあり、コンセントを複数人で共用している
(5)コンセントを使っていない

 ワーカーにとって個人的な使い勝手がよいのは(1)および(2)になるでしょう。天板下でケーブルの集約・配分を上手に行えば、ケーブルの本数も少なくできます。島の席数にもよりますが、目の届かない天板下でタコ足配線になる事は避けたいですね。
 ケーブルの本数を最も少なくできると思われるのが(3)です。フリーアドレスタイプのデスクであれば、この形式になりやすいようです。個人用オフィスデスクを集合させている場合、対面対向の中心部に「配線ユニット」を配置することで、この形式が可能になります。
 (4)は少人数のデスクが集合している島向けです。大人数の島の場合は、席数に比例してケーブルの本数が増える事になります。(5)はSOHOなどの事例になるでしょう。

オフィスデスクの配線ダクトと配線口

 オフィスデスク周辺の配線方向には、水平配線・垂直配線・対向配線の3種類があります。
 個人用オフィスデスクには、水平・垂直の配線を這わせるための配線ダクトと配線口とが備わっています(配線ダクトが後づけになっている場合もあります)。デスク側面に開口した配線口により、横に隣接したデスクを貫いて水平配線が可能です。デスクのシリーズによっては水平配線に高低二層を設けられる場合があります。天板面の配線口は特定位置に開口しているものと水平に直線状に開口しているものがあり、後者はマルチアクセスと表現される事があります。
 対向配線に関しては、オフィスデスク幕板の上部にある隙間を通して行う事例や、集合するデスクの中央に配した配線ユニットを介して行う事例などがあります。また、フリーアドレスタイプのオフィスデスクの場合、デスクの構造の一環として、予め共用性の高い大型の配線トレイが備わっており、これが配線ユニットも兼ねています。

おわりに

 共用の電源タップやネットワークハブは口数の異なるものを、各種ケーブルは長さの異なるものを、それぞれ常備しておくと便利です。人員の増減やレイアウトの変更、デバイスの増減が生じた際に対応しやすくなるからです。ケーブルは、余長が極端に多少しないようにしておきますと、デスク周りがすっきりします。オフィスの血管ともいえる各種のケーブルと、よりよいつきあいを続けていきましょう!!
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